先輩はぼくのもの
「さっき想汰くんから連絡あって、もうすぐ帰るって。せっかくだし会わないかなと思って」

「それじゃ、今までアイツに秘密にしてたのが意味なくなるじゃないですか」

「あ!そっか…」


なんであんたが残念そうにしてんだよ。


「変なの…」

「え?」

「はは!!なんか表情コロコロ変わって忙しそう。」


「…わらった」


なに?

なにが?


「瀬戸くん、そんな風に笑うの初めて見た気がする!…あ、でもさっきの電話でも笑ってたか、、うーん…」


は?

「なに…意味わかんねー事言ってんすか?キモイです」

「あー、またいつもの感じになっちゃった」


意味わかんねぇ。


「瀬戸くん、これ使って」

そう言ってビニール傘を出した先輩。


「…ありがとうございます」


俺、、、
なんでここに来たんだっけ。

何しに来たんだっけ。


「ねぇ、図々しいかもしれないけど」

「え?」


「何かあったなら…話聞くしひとりで悩んじゃダメだよ」


ドクンー・・・

「…はっ……ほんと、さっきから何言って…」

「何か用があってウチに来たんじゃない?家の前で会った時、なんか…辛そうな表情してたから」


胸が痛い

なんだよ、これ


「…何もないです。良い人ぶるのも大概にした方がいいですよ」


あ、俺……

「いや、そうじゃなー…「気のせいだったらごめんね!いきなりこんな事言われたらやだよねー」


「…帰ります」


ドアノブに手をかけた。


「想汰くんや龍弥がいるから、、あ!一応私もね、だから何かあったらいつでも頼ってね」


桜井先輩の声が少し震えている気がした。

振り向くと、笑ってるのに笑えてない


俺が傷つけた。



「またね」


傷つけたいのに

ズタズタにしてやりたいのに


「わっ!!」


気づけば先輩を抱きしめていた。



「え…!?瀬戸くん…!?」


ぐちゃぐちゃにしたいのに

なんで

泣かないでって思ってしまうんだよ。



あ、そっか。





桜井先輩(このひと)に会いたくて来たんだ。


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