先輩はぼくのもの
出会った頃に比べると髪もすごく伸びて、今は背中の半分ぐらいまであるね。

すぐ抱きしめたくなるぐらいの小柄。
身長は156センチだったね。
靴のサイズは23.5。


「あ、この写真…」

去年、ピアスを開けた時に痛がってた時のやつだ。
そんな顔も可愛くてたまんない。



このマンションも調べたに決まってるじゃん。
なんで先輩とこのマンションの間に一軒家があるんだよ。
あー、すげー邪魔。
ほんとは隣がいいのに。


北村も完全に消せたし、またひとつクリア。
あんな男、先輩には釣り合わないよ。
ぼくがこうして教えていってあげなきゃね。


画像の先輩の唇、そして目を指でなぞる。


クリッとした大きな目。
ぷっくりとした赤い唇。


先輩、もっと自分が可愛いこと自覚しなきゃ。
心配だなぁ〜。
ぼくがそばで見てあげてないと、また変な虫が寄ってくるんだろうなぁ。


まぁ、その度に消していけばいいんだけど。




フォルダを見漁っていると、懐かしい画像が出てきた。


「詩先輩、まだ幼い〜」

そう、今ある唯一の先輩とぼくが一緒に写っている画像。


先輩が中1でぼくが小6だったね。


ねぇ先輩

先輩は覚えてないんだろうけど


ぼくはこの時からずっと大好きなんだよ。



先輩しか見てない。



早く大きくなりたかった。

なんで同い年じゃないのか、親を恨んだほど。



ぼく、すごく待ったんだよ?

だからね、絶対ミスはしない。


確実に先輩をぼくのものにする。



そのためには、なんだってするよ。
だって、ぼくたちふたりの幸せな世界のためだもん。
仕方ないよね?




ピロンッ♪

メッセージを受信した。



開いたメッセージを読んで顔がニヤける。



《今日もありがとう!またお礼させてね。焼肉行く日、よかったら決めよ(^ ^)》


「あぁーーーもうーーーー!!!!!」


ベッドの上で足をバタバタさせる。



ぼくの思った通りに動いてくれるんだね、先輩。
そんな先輩も可愛くておかしくなりそう。



ぼくをこんな風にしたのは先輩だよ?


責任取ってね?




《行きたいです。詩先輩の都合いい日教えてください》


さっそく名前で呼んだ。



早く、ぼくの元へ堕ちておいで。
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