先輩はぼくのもの
あれ……?
痛くない…?
そっと目を開ける。
私の横に誰かいる。
そして、その誰かが翔の腕を掴んでいた。
「なん…で……」
狩谷くんがいるの?
「女性に手をあげるとか最低ですよ」
「狩谷くん…」
怖さで震えるわたしの肩をぎゅっと抱いてくれた。
「なんで狩谷がここにいんだよ!?」
「んー、偶然?とにかく、もうどっか行ってくださいよ」
「うるせぇ!関係ねぇ奴はひっこんでろ!」
はーー…っと大きなため息を吐いた狩谷くん。
「ラストですよ?早くどっか行ってください」
ギリッ
「いてっ!!!」
狩谷くんが掴んでいた手の力を強めたのか、翔が痛がる。
「ぼくがキレちゃう前に」
そう言った狩谷くんの目がなんだかすごく…怖く感じた。
出会ってまだ1ヶ月ちょっととかだけど、見たことない表情…というか目。
「チッ…!こっちが願い下げだよ!!」
翔が去って行った。
「狩谷くん…また今日もごめんね。…ありがとう」
「いーえ。たまたま歩いてたらなんか騒がしかったんで、、来てみてよかったです」
「なんだか恥ずかしいところばっかり見せちゃってるね」
情けない。。。
「なにが恥ずかしいんですか?先輩、ちゃんと伝えたじゃないですか。すごいことですよ」
そんな優しいこと言ってくれるの…?
「あ…りがと…」
ヤバイ。
また泣いちゃいそう。
「先輩、今帰りですか?心配ですし送りますよ」
「えっでも狩谷くん、なにか用事があったんじゃ!?」
「もう“用事は終わりました”から大丈夫です」
甘えていいのかな…?
「じゃあお言葉に甘えて…」
「はい」
しばらくして家の前に着いた。
2日連続送ってもらった。
「そういえば狩谷くん、家どこ?ここから遠いんじゃ…」
「あー、実は昨日先輩送ってビックリしたんすけど…」
そう言って狩谷くんが指差した方を見た。
そこはわたしの家から徒歩30秒ほどの距離(正確には隣の隣)にある一人暮らし用のマンション。
「え、あのマンション?」
「はい。この春から一人暮らし始めたんで」
「………あはは!!ヤバイッ!ほんとにすごい偶然ばっかりだね!まさか家まで近いなんて!!」
「…ですよね。ぼくもビックリしてて、いつ言おうかと思ってました」
なんか…狩谷くんは不思議な縁を感じる。
「先輩は実家なんですね?」
「うん。たまたま家から通いやすい距離に行きたい大学があったから」
「最高ですね」
なんだろう…もっとずっと前から知ってるような感覚…。
「それじゃ、おやすみなさい」
「あっうん!おやすみ」
狩谷くんの声にハッとして我にかえる。
「あ、そうだ」
背を向けた狩谷くんがもう一度こっちを向く。
「“詩先輩”って、名前で呼んでいいですか?」
ドキッ…
狩谷くんに名前を呼ばれて、また…一瞬ドキッとしてしまった。
「も…もちろんだよ」
「やったー♪じゃ、失礼します」
可愛い顔で嬉しそうに笑ってくれた。
ほんと、不思議で…そしていい子。
明日から一緒に働くんだなぁ。
ーーーーーーーーーーーーー
ガチャッ
部屋に入ってベッドにダイブした。
あー、先輩可愛すぎるから!!
偶然ばっかりだねって……
相変わらず素直で信じやすいんだから。
「こんなに偶然、起こるわけないでしょ?」
スマホの詩先輩フォルダを開いて、何百枚と入っている写真を眺める。
この前撮ったこの笑顔も可愛いんだよなぁ。
机に置いてある空の写真立て。
早くこの写真立てにぼくたち2人の写真を入れたい。
痛くない…?
そっと目を開ける。
私の横に誰かいる。
そして、その誰かが翔の腕を掴んでいた。
「なん…で……」
狩谷くんがいるの?
「女性に手をあげるとか最低ですよ」
「狩谷くん…」
怖さで震えるわたしの肩をぎゅっと抱いてくれた。
「なんで狩谷がここにいんだよ!?」
「んー、偶然?とにかく、もうどっか行ってくださいよ」
「うるせぇ!関係ねぇ奴はひっこんでろ!」
はーー…っと大きなため息を吐いた狩谷くん。
「ラストですよ?早くどっか行ってください」
ギリッ
「いてっ!!!」
狩谷くんが掴んでいた手の力を強めたのか、翔が痛がる。
「ぼくがキレちゃう前に」
そう言った狩谷くんの目がなんだかすごく…怖く感じた。
出会ってまだ1ヶ月ちょっととかだけど、見たことない表情…というか目。
「チッ…!こっちが願い下げだよ!!」
翔が去って行った。
「狩谷くん…また今日もごめんね。…ありがとう」
「いーえ。たまたま歩いてたらなんか騒がしかったんで、、来てみてよかったです」
「なんだか恥ずかしいところばっかり見せちゃってるね」
情けない。。。
「なにが恥ずかしいんですか?先輩、ちゃんと伝えたじゃないですか。すごいことですよ」
そんな優しいこと言ってくれるの…?
「あ…りがと…」
ヤバイ。
また泣いちゃいそう。
「先輩、今帰りですか?心配ですし送りますよ」
「えっでも狩谷くん、なにか用事があったんじゃ!?」
「もう“用事は終わりました”から大丈夫です」
甘えていいのかな…?
「じゃあお言葉に甘えて…」
「はい」
しばらくして家の前に着いた。
2日連続送ってもらった。
「そういえば狩谷くん、家どこ?ここから遠いんじゃ…」
「あー、実は昨日先輩送ってビックリしたんすけど…」
そう言って狩谷くんが指差した方を見た。
そこはわたしの家から徒歩30秒ほどの距離(正確には隣の隣)にある一人暮らし用のマンション。
「え、あのマンション?」
「はい。この春から一人暮らし始めたんで」
「………あはは!!ヤバイッ!ほんとにすごい偶然ばっかりだね!まさか家まで近いなんて!!」
「…ですよね。ぼくもビックリしてて、いつ言おうかと思ってました」
なんか…狩谷くんは不思議な縁を感じる。
「先輩は実家なんですね?」
「うん。たまたま家から通いやすい距離に行きたい大学があったから」
「最高ですね」
なんだろう…もっとずっと前から知ってるような感覚…。
「それじゃ、おやすみなさい」
「あっうん!おやすみ」
狩谷くんの声にハッとして我にかえる。
「あ、そうだ」
背を向けた狩谷くんがもう一度こっちを向く。
「“詩先輩”って、名前で呼んでいいですか?」
ドキッ…
狩谷くんに名前を呼ばれて、また…一瞬ドキッとしてしまった。
「も…もちろんだよ」
「やったー♪じゃ、失礼します」
可愛い顔で嬉しそうに笑ってくれた。
ほんと、不思議で…そしていい子。
明日から一緒に働くんだなぁ。
ーーーーーーーーーーーーー
ガチャッ
部屋に入ってベッドにダイブした。
あー、先輩可愛すぎるから!!
偶然ばっかりだねって……
相変わらず素直で信じやすいんだから。
「こんなに偶然、起こるわけないでしょ?」
スマホの詩先輩フォルダを開いて、何百枚と入っている写真を眺める。
この前撮ったこの笑顔も可愛いんだよなぁ。
机に置いてある空の写真立て。
早くこの写真立てにぼくたち2人の写真を入れたい。