私の愛した彼は、こわい人
 * * *

「そんなことが、あったんですね」

 彼の話を聞いて、気が動転してしまっている。思うことも、たくさんあった。
 なにやってるの、タクト。こんなの、ただの迷惑行為。業務妨害だ。

「あいつの怒りの矛先は俺にある。むしろ都合がいい」
「都合がいいだなんて。どこがです? 危険ですよ!」
「なにが危険だ」
「オーナーの身になにかあったら、私……」
「俺があんなヒョロヒョロな野郎にやられるわけないだろ」
「だけど」

 私はタクトの恐ろしさを知っている。怒り狂うとなにをしでかすかわからない。
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