私の愛した彼は、こわい人
「小野タクトは今後一切、この店には出入り禁止だ」
「オーナー。それだけでいいんですか!」
「いいから。処理しとけ」
俺の指示にボーイたちは納得できないといった顔をする。
だが一番不服だったのは他の誰でもない、小野タクトだった。
「神楽……いい子ぶってんじゃないぞ」
ボーイたちが拘束する手を振り払い、小野は突然俺に向かって拳を掲げてきた。
油断した。
避けきれず、俺は左頬を思い切り殴られる。
「オーナー!!」
「てめぇ、なにしやがるっ!」
マネージャーとボーイたちは怒号を上げ、小野に殴りかかろうとする。
「やめろ」
「でも、オーナー!」
「いいから。手を出すな」
「なに利口なフリをしてるんだよ神楽」
こちらが手を出さないのをいいことに、小野はさらに俺に向かって拳を振り上げてきた。
「お前なんかにアスカはもったいない。絶対に奪い返してやる。殺してやるよ、なあ、神楽!!」
やれるもんならやってみろ、小者が。俺はアスカの用心棒だ。必ず守ると約束したんだよ、雑魚。
小野の攻撃は止まらない。腹を殴られ、衝撃でよろけてしまい、カウンターの角にシャツが引っかかった。
ビリって嫌な音がしたんだが。
バーバリーのシャツが破れたじゃねえか。
本当ならここで返り討ちにしてやりたかった。
だけど、耐えるんだ。喧嘩はしない。俺は真っ当な人間だから。
小野の怒りは収まる様子がなかった。ありえないくらいの暴言を浴びせてきた。普通の精神なら、心に傷がつくほどの暴言を。
俺には効かない。お前の話なんて、なんにも聞いてねえから。相手にならないんだよ。
俺よりもマネージャーやボーイたちの方が激怒していた。小野はボーイたちに再び体を拘束され、店の外へと追い出された。その際、マネージャーが奴の頭を一発叩いていたが、それくらいは許そうと思う。
殴られた箇所がヒリヒリ痛む。手で触れると、口から血が出ていた。
──大事な女を守るためだ。これくらいの怪我は大したことないし、シャツの一枚くらい破れたって痛くも痒くもない。
「オーナー。それだけでいいんですか!」
「いいから。処理しとけ」
俺の指示にボーイたちは納得できないといった顔をする。
だが一番不服だったのは他の誰でもない、小野タクトだった。
「神楽……いい子ぶってんじゃないぞ」
ボーイたちが拘束する手を振り払い、小野は突然俺に向かって拳を掲げてきた。
油断した。
避けきれず、俺は左頬を思い切り殴られる。
「オーナー!!」
「てめぇ、なにしやがるっ!」
マネージャーとボーイたちは怒号を上げ、小野に殴りかかろうとする。
「やめろ」
「でも、オーナー!」
「いいから。手を出すな」
「なに利口なフリをしてるんだよ神楽」
こちらが手を出さないのをいいことに、小野はさらに俺に向かって拳を振り上げてきた。
「お前なんかにアスカはもったいない。絶対に奪い返してやる。殺してやるよ、なあ、神楽!!」
やれるもんならやってみろ、小者が。俺はアスカの用心棒だ。必ず守ると約束したんだよ、雑魚。
小野の攻撃は止まらない。腹を殴られ、衝撃でよろけてしまい、カウンターの角にシャツが引っかかった。
ビリって嫌な音がしたんだが。
バーバリーのシャツが破れたじゃねえか。
本当ならここで返り討ちにしてやりたかった。
だけど、耐えるんだ。喧嘩はしない。俺は真っ当な人間だから。
小野の怒りは収まる様子がなかった。ありえないくらいの暴言を浴びせてきた。普通の精神なら、心に傷がつくほどの暴言を。
俺には効かない。お前の話なんて、なんにも聞いてねえから。相手にならないんだよ。
俺よりもマネージャーやボーイたちの方が激怒していた。小野はボーイたちに再び体を拘束され、店の外へと追い出された。その際、マネージャーが奴の頭を一発叩いていたが、それくらいは許そうと思う。
殴られた箇所がヒリヒリ痛む。手で触れると、口から血が出ていた。
──大事な女を守るためだ。これくらいの怪我は大したことないし、シャツの一枚くらい破れたって痛くも痒くもない。