私の愛した彼は、こわい人
私が戸惑っていてもお構いなしに、神楽オーナーは「話せ」と促してくる。余計なことは訊いてはいけない雰囲気。ひとまず私は意見を述べることに。
「当サロンで扱っている『レガーロ』の化粧品シリーズなのですが、全てのお客様にお薦めするのが難しくて」
「なぜだ」
「フェイシャルケアで通われているお客様の大半が敏感肌だったり、お肌が弱い方だったりします。それが原因なのか断定できないのですが、お客様の中にはレガーロ化粧品が合わない方もいらっしゃいまして」
「で?」
「それで、今年の四月から商品をお薦めする前にパッチテストを行うようにしたんです。アレルギー反応が出てしまったお客様には販売していなくて」
「は? たかが化粧品のためにパッチテストだと」
神楽オーナーは渋い顔をした。低い声をさらに下げる。
「そのメーカーの化粧品、不良品なんじゃねえの」
瞬間、私の中に衝撃が走った。
「不良品……!? まさか! レガーロ化粧品はどれも良質なんです。お肌が明るくなった方だっていらっしゃいます。アルコールやパラベンなどの成分が入っていませんし、国産の原料を使っています。国内の工場で作られていて」
「うるせえな。俺もそれぐらい知ってる」
神楽オーナーは大きくため息を吐く。
「顧客管理は重要だ。物品販売も例外じゃない」
「それは今申しましたように」
「売れないものには理由がある。原因をよく考えろ」
冷静な口調なのに、その言葉がずっしり重くのしかかる。私は一瞬、息をするのを忘れてしまう。
「当サロンで扱っている『レガーロ』の化粧品シリーズなのですが、全てのお客様にお薦めするのが難しくて」
「なぜだ」
「フェイシャルケアで通われているお客様の大半が敏感肌だったり、お肌が弱い方だったりします。それが原因なのか断定できないのですが、お客様の中にはレガーロ化粧品が合わない方もいらっしゃいまして」
「で?」
「それで、今年の四月から商品をお薦めする前にパッチテストを行うようにしたんです。アレルギー反応が出てしまったお客様には販売していなくて」
「は? たかが化粧品のためにパッチテストだと」
神楽オーナーは渋い顔をした。低い声をさらに下げる。
「そのメーカーの化粧品、不良品なんじゃねえの」
瞬間、私の中に衝撃が走った。
「不良品……!? まさか! レガーロ化粧品はどれも良質なんです。お肌が明るくなった方だっていらっしゃいます。アルコールやパラベンなどの成分が入っていませんし、国産の原料を使っています。国内の工場で作られていて」
「うるせえな。俺もそれぐらい知ってる」
神楽オーナーは大きくため息を吐く。
「顧客管理は重要だ。物品販売も例外じゃない」
「それは今申しましたように」
「売れないものには理由がある。原因をよく考えろ」
冷静な口調なのに、その言葉がずっしり重くのしかかる。私は一瞬、息をするのを忘れてしまう。