理想の彼氏の作り方~イケメン王子と愛のクリスマス~
 
「……わたし……
 わたしは……」

 自分の返事しだいで。

 どちらか一方の男の子と永遠にサヨナラ、かもしれない。

 そんな、緊張感があった。

 直人の真剣な優しさが嬉しかった。

 だけど。

 直人の、その外見は。

 本当に、全く。

 カッコ良くなかった。

 とても、ライオンなんかじゃない。

 ぽよん ぽよんのナマケモノにしか見えなかった。

 そんな。

 そんな直人が……先輩がわたしにしようとしていることをしたい、なんて。

 考えられなかった。

 わたし……

 わたしは……

 カッコいい。

 王子様を彼氏にしたかった、ハズだった。



「「苺?」」



 どちらか一方を選んで? と。

 二人のレオンの声が、重なった。
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