【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
診察に移ると、鶴田は椅子から立ち上がり、紗良の正面にゆっくりと屈んだ。
「じゃあ、少しだけ失礼しますね。」
そう声をかけると、聴診器を紗良の胸元にあて、静かに呼吸を確認していく。
息を吸って、吐いて。そのリズムに合わせるように、鶴田の動作も実に丁寧だった。
聴診が終わると、今度は腕や腹部、足元に軽く視線を送り、皮膚に異常がないか、湿疹や赤みが見られないかを確認していく。
だがそれも、必要最低限にとどめられた。
「はい、大丈夫ですよ。服、戻して大丈夫です。」
そう告げると、鶴田は再び自分の席に戻り、手元のノートにさらさらと文字を綴っていった。
その様子を航太は、じっと黙って見ていた。最近の大病院ではほとんど見かけなくなった、紙のカルテ。
鶴田はあえてパソコンを使わず、手書きで記録を残している。
何か理由があるのだろうか――そんな疑問が、航太の頭の片隅をかすめた。
しかし、鶴田のその文字を書く手は迷いがなく、正確で、どこか温かさすら感じさせた。
それはまるで、一人の人間として紗良の全体を「診ている」証のように思えた。
「じゃあ、少しだけ失礼しますね。」
そう声をかけると、聴診器を紗良の胸元にあて、静かに呼吸を確認していく。
息を吸って、吐いて。そのリズムに合わせるように、鶴田の動作も実に丁寧だった。
聴診が終わると、今度は腕や腹部、足元に軽く視線を送り、皮膚に異常がないか、湿疹や赤みが見られないかを確認していく。
だがそれも、必要最低限にとどめられた。
「はい、大丈夫ですよ。服、戻して大丈夫です。」
そう告げると、鶴田は再び自分の席に戻り、手元のノートにさらさらと文字を綴っていった。
その様子を航太は、じっと黙って見ていた。最近の大病院ではほとんど見かけなくなった、紙のカルテ。
鶴田はあえてパソコンを使わず、手書きで記録を残している。
何か理由があるのだろうか――そんな疑問が、航太の頭の片隅をかすめた。
しかし、鶴田のその文字を書く手は迷いがなく、正確で、どこか温かさすら感じさせた。
それはまるで、一人の人間として紗良の全体を「診ている」証のように思えた。