無自覚男子にキュン!
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「じゃあ俺らはこっち行くけん、絶対寄り道すんなよ」
「うん、心配御無用!!!また明日ね!」
「おう」
「また明日ね、漣さん」
2人は私が角を曲がるまで、立ち止まって手を振ってくれていた。
青空くんの元気な声もこっちまで真っ直ぐ届いた。
幸せだな。
航くんもいたら、きっと2人と別れても
今、横にいるはずだったのかな。
同じ方向だし、少し期待してた…なんてバレたらとてもじゃないけど、顔なんて見れない。
だけどやっぱり…
一緒に帰ってみたかったなぁ。
初美ちゃんの手伝いが終わったら、2人で並んで帰るのかな。
ちょっと嫉妬。
「あ……」
見上げた先の綺麗な月が、私の瞳にうつり、輝く。
こういうの、航くんなら華麗に「綺麗だね」とか言うんだろうな。
今日初美ちゃんと、この光景を、一緒に見てしまうのかな、嫌だな、とかそんなこと考えたくないのに、そう考えてしまう。
嫉妬なんて…
航くんが知ったら、距離を置かれてしまうのではないか。
好意を持っていない相手になど、嫉妬なんて勝手にされていたら、たまったもんじゃないだろうな。
この気持ちを必死に隠さないと、今の関係が簡単に崩れていってしまう。
それだけは絶対に嫌だから。
「え……」
コンビニを通り過ぎたところで、制服姿の学生の中で、1人の男の子の声だけが、やけに耳にスッと入っていく。
横を向いてすぐに私も声に出ない驚きをみせた。