モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
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いつもより早い時間に家についたのに、疲労感は強い。あかりは引きずるようにリビングに来るとノロノロと服を脱いだ。
身内だけだから、と礼服ではなく着慣れているスーツを着ていったあかりだったが、いつもより服が重く感じるのは心が疲れているせいだろう。
雅人の小馬鹿にしたような暴言と、幸人の苦言。
颯にも理貴にも中途半端な態度を取っているあかりにとっては、どちらの言い分も心に重く響いていた。
自身にそんなつもりがなくても、やっていることは二人を弄んでいるのと同義だ。恋愛経験が少ないなどと言い訳はもう通用しない。
真剣に想いを向けてくる彼らに向き合って、きちんと結論を出さないといけない。
颯に別れ話をした時以上に悩ましいことだ。けれど、結論を出すのはあかりにしかできない。
「はぁ……」
それでも今までの拙い恋愛経験しかないあかりにとっては、一人で抱えるのにはキャパオーバーする事案であった。
誰かに縋りつきたい。第三者に悩みをぶちまけたい。
「あ……」
あかりの脳裏に一人の人物が思い浮かぶ。彼に相談するのがベストかどうかは疑問なところがあるが、藁にもすがりたい気持ちであかりはその人物に相談することにしたのだった。