モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 子どもをあやすように、颯はぽんぽんとあかりの頭を軽く撫でる。颯は、胸の中で嗚咽を漏らすあかりを抱いている腕に力を込めた。
「違うな。……困らせているのはオレのせいだから、好きなだけ泣け、が正しいか」
 そんなことを言われるとますます涙が溢れてくる。あかりは少しでも颯に泣いている姿を見られたくなくて、自ずと彼の胸に縋り付くようになってしまう。
 二ヶ月前までと変わらない颯の胸。抱かれていると、幸せだった記憶ばかり思い出されて、更に泣けてきた。
 
 颯は涙でぐちゃぐちゃなあかりを抱きしめながら独りごちる。
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