モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
そう思う一方で、理想としていた警察官になれていない自分に憤ってもいた。けれど、立ち上がるのには、気力も体力も失っていたのだ。
辞めることを考えるくらいには。
惰性で仕事をしていることを一瞬で見破った颯の言葉は、当時のあかりの痛いところをついていて、持ち前の負けん気が発動された。
「ご指導、ありがとうございます!」
突然大きな声を出したあかりに一瞬驚いたように眉を上げた颯は、表情を緩めた。
「なんだ、いい顔できるじゃないか」
吐き出した言葉と共に溢れた笑みに、不覚にもあかりの胸は高鳴ったのだ。
この言葉に発破をかけられたあかりは、持ち前の真面目さを武器に努力を重ねた。先に異動した久保の代わりに入ってきた新人とペアを組み、巡査長として指導を重ねるうちに警察官としての目標を見つけることが出来たのだ。
あかりが別の交番勤務踏まえて、希望していた生活安全課に配属になった頃、再会した颯は刑事課にいた。
「もう巡査部長か。やるな」