モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています




 ※

 目覚めた時には既に颯は側にいなかった。
 代わりに机の上に書き置きが残されていた。

『鍵はドアポストに入れてある。ちゃんと水飲んどけよ。また連絡する。 山科』

 メモ帳を破って書いたのだろう。律儀に名前を、それも名字を書くところが颯らしくてあかりの口角は緩く上がる。
 じっと見つめながら颯の四角張った字をそっとなぞったあかりはその紙を大事に折りたたむと、自身の手帳型のスマートフォンケースに挟み込んだ。

「ちゃんと結論を出さないと」


 人を傷つける結果になったとしても、あかりが決めないといけないことなのだから。

「よし!」
 
 あかりは自身に気合を入れると、手に持ったスマホでポチポチとメッセージを送ったのだった。
  

 
  
 
 
< 150 / 230 >

この作品をシェア

pagetop