モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
『あかりちゃん』
理貴の優しい声に促されるように、あかりは口を開く。
「理貴、警察庁なんで蹴ったの?」
電話越しに理貴が息を呑むのが伝わってくる。はぁ、と深いため息と共に『幸人だな。ったく余計なことを』と呟く声が聞こえた。
『内緒……とか?』
「……」
無言のあかりの抗議に理貴は取ってつけたような言い訳をする。
『……あーえっと……多分……向いてないと思ったんだ』
警察官でない人間にもわかるくらい下手くそな言い訳を口にした理貴を逃がすつもりはない。
本当のことを吐かせてやる、と急にスイッチが入ったあかりは語気強く問いただす。
「違うでしょ? ねぇ、なんで?」
つい詰問のようになるあかりに、理貴はもう一度だけ息を吐く。思いの外長く息を吐くと、しぶしぶという様子で口を開く。