モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています

会わない決断


『あかりちゃん!?』
 電話口でも焦っているのが伝わってくるくらいの理貴の声量にあかりは声に驚き、思わず耳に当てていたスマートフォンを離した。
 実家から家に帰って、ひとっ風呂浴びたあかりが理貴のメッセージに既読をつけた途端、待ち構えていたように電話が鳴ったのだ。そしてあかりが電話に出るなり冒頭の一言を発した理貴は、冷静になったようだ。

『ごめん、あかりちゃん。しつこく連絡して。でも、本当に彼女とは何も無いから』
 このことが言いたくて理貴はあかりが出るまで連絡をしてきたのだろう。本当に理貴が彼女と関係ないとしたら焦る理由はわからなくはない。帰り際にネットの記事を確認しても、藤井理貴と早見七星の熱愛はSNSのトレンド入りするくらい話題になっていたのだから。
 理貴が交際を否定したのとは反対に、早見七星は「良いお付き合いをさせて頂いています」と発言したことから紛糾しているのだ。
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