モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「ズルいんだけど、どちらにもいい顔しようとしている。そして自分で決めきれないからって……流された方が楽だからって……体を重ねたら楽になると思い込んで颯さんに「抱いてほしい」って言ったんだ」
『!?』
理貴が絶句している。あかりは自嘲するように笑いながら口を開く。
「颯さんは抱かなかったよ。その代わり「人に流されて意思決定していいのか」って怒ってくれて。私の気持ちを尊重して一晩中添い寝してくれた」
『……その役目、俺がしたかったんだけど』
理貴の剥き出しの感情にあかりは不覚にもときめいてしまう。目の前に理貴がいなくてよかった、と思いながらあかりは言葉を続けた。
「私が弱いからさ。ちゃんと選ばないといけないのに、流されてしまっていた。どちらにと不誠実なことしていた」
『そんなことないから!』
「あるよ」
断言する理貴とは反対にあかりは静かに答えた。
「あるの、そんなこと。私は弱い。前に警察官辞めようと悩んでいた頃があったんだけど、その時も楽な方に流されようとしていた」
『……』
「けどさ」
これだけは自身を持って言える。あかりは力強く宣言する。
「自分自身の決断だと、胸を張っていえるように、キチンと答えを出す。それが真剣な想いを伝えてくれる二人に、私が唯一出来ることだから。だから……」
唾を飲み込んだあかりは、囁くように理貴に言った。
「信じて待っていてくれる?」