モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 不安から出た言葉だろうが、自身の性格を見透かしているような理貴に、あかりは力が抜けたのだ。
 理貴は、知っているから。流されて颯に「抱いてほしい」と言った弱いあかりを。
 そして自分との結婚に懸念があるなら、今が引き返せるラストチャンスだと暗にあかりにメッセージを送って来たのだ。
 あかりはベッドの上で体を回転させ仰向けになった。怖いくらい自身のことを知っている理貴を下から見上げると、先程よりも表情が鮮明に見える。

「好きだよ、理貴」
 硬くなっていた顔がその一言で赤く緩む。理貴がいつまで経ってもあかりの()()の一言で赤面するのは、照れるからと中々言ってこなかったからだ。更に加えて結婚式の準備も気乗りしていなかったのだ。理貴を不安にさせるのには充分な材料だ。

「先のことはわからないよ。環境が変わってさ、理貴のイヤな面が見えてきたり、逆に私のイヤなところが目についたり。いつか大がつくほどキライになるかもしれない」
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