モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 その状況は父や祖父、そして先に警察官になった兄に聞いていたし、男兄弟で育ったあかりはどっちかというとガサツな方だから耐えれると思っていたけれど。
 想像以上の世界で、どこか馴染めなく辞めようか本気で思っていたのだ。
 最初の志はあっという間に霧散した。とりあえず明日無難に過ごせればいい。警察官としてあるまじき考えだったが、そんな気持ちで毎日過ごしていたのだ。

 そのいい加減な仕事をしていた頃を、まさか理貴は知っているのか?

 あかりが恐る恐る訊ねた疑問に、理貴は一言で答えた。
「僕、その近くの大学に通ってたの」

(あぁ!! やっぱり!!)

 声にならない声を上げてあかりは再びテーブルに突っ伏した。
 理貴との年の差が三歳ということを考えると、あかりが本郷の交番の最後の年だろう。
 勤めて三年。警察官に関わらず勤め人が辞めがちな時期である。
 例に違わず警察学校からの同期もポロポロ辞めていたし、あかり自身も明日辞表を出そうか、もう少し続けようかと葛藤していた。
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