モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
告げるかどうか迷った末、あかりは理貴に残酷な真実を話すことにした。
「見ているけど……動物好きなのは父だよ」
「えっ!?」
心底驚いた表情をした理貴に、あかりはトドメを刺した。
「もっというと、「娘と一緒に可愛い動物の番組を見て、良い父娘関係だ」と周りに言いふらしたい父の欲求を叶えるために見てるだけ。毎週のように父から「見たか」って連絡くるしね」
理貴は「うわっ」と短く声をあげるとその場にしゃがみ込む。
「幸人のやつ……失敗したじゃんか!」
唸るように呟く理貴は子どものようだ。その姿にあかりは吹き出した。
そして、座り込んでいる理貴に手を差し伸べる。
「ま、せっかく休みの日にわざわざ来たし。せっかくだから見ていこっか?」
小学生以来の動物園だが、平日ということもあってゆっくり見ることができた。
いつも何時間も並んでいる看板動物のパンダもほんの数分の待ちで見れる。
成り行きで訪れただけだが、実際に見ていると動物のパワーはすごい。
動物の予想がつかない動きを眺めているだけで、知らず知らずのうちに口元は緩み、あっという間に時間が経過していく。
あかりはもちろんだが、理貴もリラックスしているのか、いつもより表情が読みやすい。