モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


(そうだ、初めて会った頃はこんな感じの表情だった)

 理貴は転校してきた当初から祖父の剣道場に通っていたから、あかりはよく知っている。
 転校してきたばかりの理貴は、好奇心旺盛でコロコロと表情が変わる男の子だったのだ。
 理貴は、一人っ子特有のおっとりしているから、前に出るタイプではなかったけれど、よく笑っていた。剣道に向き合うひたむきさと真面目で努力している一方で、年頃の男の子として幸人たちと元気に走り回っていたのだった。
 理貴が変わったのは一年ほど経った頃。クラス替えの後、男子と上手くいかなくなってから、どんどん感情を表に出さなくなっていったのだ。 
 いつしか感情を露わにすることなく、澄ました顔になっていったのだ。それがまた、女の子たちには「大人っぽい」と評価され、男子たちからは嫉妬も相まって「スカしている」といじめられる要素になったのだ。
 あかりとも会話は無くなっていったけれど、幸人も同じ時期あかりに反抗的だったから、「そういうお年頃だ」と思っていたのだが。
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