モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
キスの味
動物園の広い園内をたっぷり時間をかけて回っていたらあっという間に三時を回っていた。
園内で食事はしたけれど、それ以外はほぼノンストップで歩いていた。
それにしても広い園内である。名残惜しいがさすがに疲れていた。二人は喉を潤すため動物園を出て、近くのカフェで飲み物をテイクアウトすることにした。
ちょうど小腹が空く時間だからか、店は大行列だった。ただでさえ、いつも行列ができるチェーン店だ。もっぱら自販機、もしくはコンビニのコーヒー派のあかりにはおしゃれすぎて全然縁がない店である。
そのため、やっとのことで注文カウンターにたどり着いても、あかりは戸惑う一方だ。沢山のドリンクが写真付きで載っているが、ブラック派のあかりには違いがわからなかった。店員は丁寧に「どうなさいますか?」とあかりに訊ねるが、本人は聞かれてもわからない。
隣のカウンターにいた理貴はさっさと注文を終えて既に受け取りカウンターの付近にいた。
助けを求めようとして、あかりは理貴を呼ぼうと上げた手を下げる。なんだか癪だったし、理貴は取り込み中だったからだ。
そして、店員にむかってどんな時でも使える魔法の言葉を使った。
「貴女のオススメでお願いします」
ホットかアイスのどちらかがいいか訊ねられ、かろうじてサイズを選び。
カウンターで待っていたあかりの手元に届いたのはトールサイズのホイップクリームがたっぷり乗った季節限定のフラペチーノだった。