モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「比べてよ」
再び颯と自分を天秤にかけるように言ってくる理貴に、あかりは戸惑いつつも質問し返す。
「……なにを」
「元カレさんと俺を」
先程も伝えた言葉を繰り返した理貴は、更に言い募る。
「顔も、体も、性格も。職業も、将来性も、プロポーズの言葉も。どれだけあかりちゃんのことが好きなのかもそうだし、デートの内容も……さっきのキスも。全部並べて、比べて……そして」
「……そして?」
理貴は一旦、言葉を飲み込み、そして掴んでいたあかりの手を強く握り直す。
「答えを出して欲しい。そして、俺を選んでよ」
あかりは、理貴の真剣な表情に何も言えないまま、すっと視線を逸らしたのだった。