失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「それに、彼女は今日の気分で映画を見ることを決めたと計画性のなさを強調していたが、だったら席が妙だ。毎回ほぼ満員となっている人気映画で、通路側の端が運よく残っていたとは思えない」
「だったら……」
金平の予想を受け取る形でうなずく。
「そうだ。おそらく狐火は違法ドラッグの受け渡しを映画館の座席を使って行うことにし、事前に自分と相手が隣同士になるよう席をそれぞれ購入して、ひとつを受け子側に渡していた。ここからはあくまでも俺の想像だが、当初、狐火側はドラッグを入れた袋を置いてエンドロール前に館内を去る予定だったのだろう。それを受け子がさりげなく持っていく。それで終わる話だった」
そこでひと区切りつけると、俺の推測を引き継ぐ形で金平が語りだす。
「けれど、ドラッグを置いていくはずの隣席の女はいつまでも席を立たない。男は闇バイトで雇われた下っ端で、せいぜい『隣の席の人間が置いていった荷物を回収しろ』くらいの指令しか受けていなかった。状況が変わり、男は焦ったでしょうね。このまま映画が終わり、館内が明るくなると荷物をさりげなく持っていくのは困難になる」
しびれを切らした男は、隣の席の女性の紙袋を持っていくことにした。隣の人間は事情をわかっているはずだ。しかし、事態は思わぬ展開を迎える。
「女にひったくり犯呼ばわりされ、手に入れた荷物も中身はドラッグではなく女が買い物した品だった。上に助けを求めようにも連絡は取れず、窃盗で現行犯逮捕ですからね」
全貌が見えてきた金平が余裕を取り戻し、いつもの口調でまとめた。今度は続きを俺が引き取る。
「だったら……」
金平の予想を受け取る形でうなずく。
「そうだ。おそらく狐火は違法ドラッグの受け渡しを映画館の座席を使って行うことにし、事前に自分と相手が隣同士になるよう席をそれぞれ購入して、ひとつを受け子側に渡していた。ここからはあくまでも俺の想像だが、当初、狐火側はドラッグを入れた袋を置いてエンドロール前に館内を去る予定だったのだろう。それを受け子がさりげなく持っていく。それで終わる話だった」
そこでひと区切りつけると、俺の推測を引き継ぐ形で金平が語りだす。
「けれど、ドラッグを置いていくはずの隣席の女はいつまでも席を立たない。男は闇バイトで雇われた下っ端で、せいぜい『隣の席の人間が置いていった荷物を回収しろ』くらいの指令しか受けていなかった。状況が変わり、男は焦ったでしょうね。このまま映画が終わり、館内が明るくなると荷物をさりげなく持っていくのは困難になる」
しびれを切らした男は、隣の席の女性の紙袋を持っていくことにした。隣の人間は事情をわかっているはずだ。しかし、事態は思わぬ展開を迎える。
「女にひったくり犯呼ばわりされ、手に入れた荷物も中身はドラッグではなく女が買い物した品だった。上に助けを求めようにも連絡は取れず、窃盗で現行犯逮捕ですからね」
全貌が見えてきた金平が余裕を取り戻し、いつもの口調でまとめた。今度は続きを俺が引き取る。