失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「まさかここにきて、狐火とつながりのある人物を捕らえることができるなんて……。鷹本さん、お手柄ですね」
「ただの偶然だ」
軽く返すと、金平は大きくため息をついた。
「偶然なわけがないでしょう。本来、上にも報告されないような未遂で終わったひったくりの事件が、まさかの急展開ですよ?」
珍しく金平が早口でまくし立てる。先日ひったくりの被害にあった女性、沢田なつめが狐火の人間であり、違法ドラッグの渡し役だった事実が判明したのだ。
「結論だけは聞いていますが、そこに至るまでの過程を聞いてもかまいませんか? そもそも、ひったくり犯を捕まえたのもあなただと聞いていますよ。それは警察官の使命だとしても、なぜ彼女が怪しいと思ったんですか?」
「最初から彼女の正体を疑っていたわけじゃない」
矢継ぎ早に尋ねてくる金平に端的に返す。たび重なる違和感と偶然が導き出した結果だ。
そもそもひったくり犯を捕まえたのも、未可子が危うく危害を加えられそうになって、とっさに体が動いただけだ。しかしそのおかげでひったくりの被害にあった女性――沢田と接触し、未可子との会話のおかげで抱いた不信が確信に変わっていった。
「沢田の発言はずっとおかしかった。最初にひったくり犯を捕まえるよう叫んだとき、彼女は男の服装について色にまで言及していた」
『その男を捕まえて! 白いシャツと青いズボンの男!』
「けれど、妻との会話を聞いていると、彼女は館内が暗くなり予告が始まった後で席に着き、犯行はエンドロールの途中に行われ、やはり館内は暗いままだ」
いくら隣とはいえ、よっぽど注目していない限り隣に座る他人の服装まで確認はしないだろう。あそこまではっきりと服装を言えたのは、おそらく事前に今回ひったくり犯となったドラッグの受け子の服装について連絡があったのではないか。
「ただの偶然だ」
軽く返すと、金平は大きくため息をついた。
「偶然なわけがないでしょう。本来、上にも報告されないような未遂で終わったひったくりの事件が、まさかの急展開ですよ?」
珍しく金平が早口でまくし立てる。先日ひったくりの被害にあった女性、沢田なつめが狐火の人間であり、違法ドラッグの渡し役だった事実が判明したのだ。
「結論だけは聞いていますが、そこに至るまでの過程を聞いてもかまいませんか? そもそも、ひったくり犯を捕まえたのもあなただと聞いていますよ。それは警察官の使命だとしても、なぜ彼女が怪しいと思ったんですか?」
「最初から彼女の正体を疑っていたわけじゃない」
矢継ぎ早に尋ねてくる金平に端的に返す。たび重なる違和感と偶然が導き出した結果だ。
そもそもひったくり犯を捕まえたのも、未可子が危うく危害を加えられそうになって、とっさに体が動いただけだ。しかしそのおかげでひったくりの被害にあった女性――沢田と接触し、未可子との会話のおかげで抱いた不信が確信に変わっていった。
「沢田の発言はずっとおかしかった。最初にひったくり犯を捕まえるよう叫んだとき、彼女は男の服装について色にまで言及していた」
『その男を捕まえて! 白いシャツと青いズボンの男!』
「けれど、妻との会話を聞いていると、彼女は館内が暗くなり予告が始まった後で席に着き、犯行はエンドロールの途中に行われ、やはり館内は暗いままだ」
いくら隣とはいえ、よっぽど注目していない限り隣に座る他人の服装まで確認はしないだろう。あそこまではっきりと服装を言えたのは、おそらく事前に今回ひったくり犯となったドラッグの受け子の服装について連絡があったのではないか。