失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
鍵を開け、ドアを少しだけ開いて彼の方をちらりと向く。
「ここまで、ありがとうございました」
「ああ」
バーでのお金は光希に預けていこう。今度こそここでお別れだ。ドアを開け玄関に一歩踏み入れたそのとき、スマホが音を立てすぐさま私は画面を確認する。
震える指でタップし、送られてきたメッセージにざっと目を通す。内容に、思わずその場にへたり込みそうになった。
「どうした?」
彼の声で我に返り、無理やり笑顔をつくる。
「あ、いいえ。なんでも――」
「不安そうにずっと、誰からの連絡を待っていたんだ?」
ところが彼から続けられた質問に、一瞬で言葉に詰まる。
「不必要に何度もスマホの画面を確認していただろ。時計をしているから時間を気にしているわけじゃない。この時間に遠慮せずに連絡をよこすのは、よっぽど親しい間柄だ。そして待ち望んでいた連絡は、君にとってあまりいい報せでなかったらしい」
はっきりと言いあてられ、その通りだと肯定も否定もできない。そもそも光輝さんには関係ない。
「光希が心配していた。年末くらいから君がずっと元気がないって」
突っぱねようとしたら、返された内容に固まる。まさかそんな前から光希に異変を悟られているとは。
なんでもないかのように振る舞っていたけれど、どうやら私の独りよがりだったらしい。なにも解決できていないのに、心配だけかけていた。そう自覚した途端、目の端から涙がこぼれ落ちた。
「ここまで、ありがとうございました」
「ああ」
バーでのお金は光希に預けていこう。今度こそここでお別れだ。ドアを開け玄関に一歩踏み入れたそのとき、スマホが音を立てすぐさま私は画面を確認する。
震える指でタップし、送られてきたメッセージにざっと目を通す。内容に、思わずその場にへたり込みそうになった。
「どうした?」
彼の声で我に返り、無理やり笑顔をつくる。
「あ、いいえ。なんでも――」
「不安そうにずっと、誰からの連絡を待っていたんだ?」
ところが彼から続けられた質問に、一瞬で言葉に詰まる。
「不必要に何度もスマホの画面を確認していただろ。時計をしているから時間を気にしているわけじゃない。この時間に遠慮せずに連絡をよこすのは、よっぽど親しい間柄だ。そして待ち望んでいた連絡は、君にとってあまりいい報せでなかったらしい」
はっきりと言いあてられ、その通りだと肯定も否定もできない。そもそも光輝さんには関係ない。
「光希が心配していた。年末くらいから君がずっと元気がないって」
突っぱねようとしたら、返された内容に固まる。まさかそんな前から光希に異変を悟られているとは。
なんでもないかのように振る舞っていたけれど、どうやら私の独りよがりだったらしい。なにも解決できていないのに、心配だけかけていた。そう自覚した途端、目の端から涙がこぼれ落ちた。