失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
ああ、だめだ。今まで泣かずに耐えていたのに。お酒が入っているから? 気の緩み? よりによって彼の前で泣くなんて。
「君をそんなに悩ませているのはなにが原因なんだ?」
問いかけられ迷いが生じる。けれどこの状況で、なんでもないと終わらせられる自信もない。それに、ひとりで抱えるのはもう限界だった。
外では声も響くし、こんな話はできないとひとまず玄関に入ってもらい、ドアを閉める。
「光希には、言わないでください」
顔色ひとつ変えない光輝さんに事情を話す。カルペ・ディエムの現状、大林さんから身内になるなら、と息子との結婚を期待されているが、その相手は私ではなく妹しか認めないと言われていること。
先ほどの連絡は母からだった。大林さんの息子の結婚相手を妹ではなく私で納得するよう父に説得してもらったが、先方は首を縦に振らなかったらしい。
もともと両親は最初から私たち娘には好きな人と結婚しなさいと言って、大林さんの息子さんに娘を差し出すつもりはないと決めていた。
でも私たち姉妹にとってもカルペ・ディエムは大切な場所で、両親が築き上げてきた大事なものだ。なくしたくない。
お父さんとのつながりが必要で息子と結婚させたいなら、私たち姉妹のどちらでも問題はないはずだ。妹ではなく私でも。それなのに――。
「私じゃだめだって。なんで……どうして私でいいって言ってくれないの?」
そんな事情、光輝さんにぶつけてもしょうがない。ただ、私で妥協してもらえるなら万事解決するのに。
「君をそんなに悩ませているのはなにが原因なんだ?」
問いかけられ迷いが生じる。けれどこの状況で、なんでもないと終わらせられる自信もない。それに、ひとりで抱えるのはもう限界だった。
外では声も響くし、こんな話はできないとひとまず玄関に入ってもらい、ドアを閉める。
「光希には、言わないでください」
顔色ひとつ変えない光輝さんに事情を話す。カルペ・ディエムの現状、大林さんから身内になるなら、と息子との結婚を期待されているが、その相手は私ではなく妹しか認めないと言われていること。
先ほどの連絡は母からだった。大林さんの息子の結婚相手を妹ではなく私で納得するよう父に説得してもらったが、先方は首を縦に振らなかったらしい。
もともと両親は最初から私たち娘には好きな人と結婚しなさいと言って、大林さんの息子さんに娘を差し出すつもりはないと決めていた。
でも私たち姉妹にとってもカルペ・ディエムは大切な場所で、両親が築き上げてきた大事なものだ。なくしたくない。
お父さんとのつながりが必要で息子と結婚させたいなら、私たち姉妹のどちらでも問題はないはずだ。妹ではなく私でも。それなのに――。
「私じゃだめだって。なんで……どうして私でいいって言ってくれないの?」
そんな事情、光輝さんにぶつけてもしょうがない。ただ、私で妥協してもらえるなら万事解決するのに。