失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「光輝さんは、いろいろな方に期待されているんですね」
「期待かどうかはわからないが、常々上に行くつもりだとは公言しているからな」
それを口にできるのが、光輝さんのすごいところだ。野心家だとも強欲だとも感じさせないのは、実力が伴っているからだ。だから周りも自然と彼を慕って応援するのだろう。
「映画はまた今度にして、今日はひとまず帰ろう」
彼の提案にうなずく。たしかに疲れた。
いろいろなことがありすぎて、まだ混乱している。不意にひったくり犯に遭遇した場面を思い出し、肩が震えた。
怖かった。動くどころか声さえ出せなかった。でも光輝さんが来てくれたから……。
ちらりと隣を歩く光輝さんに視線を送る。
光輝さんは仕事として当然のことをしただけかもしれないけれど、カッコよかったな。仮に彼が見知らぬ他人だっとしても、恋に落ちてしまいそう。
でも光輝さんは、私の旦那さまなんだ。
「どうした?」
「あ、いいえ」
見つめすぎていたのか、こちらを向いた光輝さんに尋ねれられ、首を横に振る。
結婚指輪をつけて、こうして妻として彼の隣に並んでいる。でも、甘い雰囲気はもちろん手をつなぐこともない。ほかのカップルや夫婦みたいな気さくさや親しげな雰囲気もない。
しょうがない。これが彼の望む結婚の形だから。
今日も言うなら実家の件も、光輝さんに助けられた。彼は誠実で、きちんと私と向き合ってくれている。だから寂しさを覚えるのは贅沢だ。
「期待かどうかはわからないが、常々上に行くつもりだとは公言しているからな」
それを口にできるのが、光輝さんのすごいところだ。野心家だとも強欲だとも感じさせないのは、実力が伴っているからだ。だから周りも自然と彼を慕って応援するのだろう。
「映画はまた今度にして、今日はひとまず帰ろう」
彼の提案にうなずく。たしかに疲れた。
いろいろなことがありすぎて、まだ混乱している。不意にひったくり犯に遭遇した場面を思い出し、肩が震えた。
怖かった。動くどころか声さえ出せなかった。でも光輝さんが来てくれたから……。
ちらりと隣を歩く光輝さんに視線を送る。
光輝さんは仕事として当然のことをしただけかもしれないけれど、カッコよかったな。仮に彼が見知らぬ他人だっとしても、恋に落ちてしまいそう。
でも光輝さんは、私の旦那さまなんだ。
「どうした?」
「あ、いいえ」
見つめすぎていたのか、こちらを向いた光輝さんに尋ねれられ、首を横に振る。
結婚指輪をつけて、こうして妻として彼の隣に並んでいる。でも、甘い雰囲気はもちろん手をつなぐこともない。ほかのカップルや夫婦みたいな気さくさや親しげな雰囲気もない。
しょうがない。これが彼の望む結婚の形だから。
今日も言うなら実家の件も、光輝さんに助けられた。彼は誠実で、きちんと私と向き合ってくれている。だから寂しさを覚えるのは贅沢だ。