失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
千恵さんから伝えられたのは、初めて知る話ばかりではない。すべて再確認させられただけだ。
光輝さん、私があげたチョコレート、彼女に渡したんだ。
直感的に千恵さんがもらったのは、私が光輝さんにプレゼントしたチョコレートと同じものだと思った。
私だって光輝さんに渡したときは、仮に彼が食べなくても誰かにあげてもらったらいいと思っていた。それなのにどうして今、こんなにも傷ついているのだろう。
愛し合っていないのも、彼が私と結婚した理由も、全部わかっていたのに……。
「未可子」
名前を呼ばれ、我に返る。顔を上げると、息せき切った光輝さんがそばに立っていた。
「途中で抜けて悪かった。……彼女は?」
視線を鋭くして尋ねられ、ぎこちなく答える。
「帰られました。光輝さんによろしくと。その……チョコレートのお礼もおっしゃっていました」
具体的な説明を言わなかったのは、光輝さんの反応が怖かったからだ。私があげたものを彼女に横流ししたのだとしたら、少しは私に罪悪感を抱くのか。
「そうか。彼女、ほかにはなんて?」
しかし光輝さんはあまり興味なさそうな反応だ。それよりも千恵さんが私になにを話したのかの方が気になるらしい。
伝えられたら、まずい話でもある? 光輝さんと千恵さんの関係について尋ねてみようか。
「光輝さんは――」
口にしかけて、彼の状況を思い出す。
「い、いいえ。とくになにも。それよりも光輝さんは大丈夫ですか?」
私の問いかけに、光輝さんは眉を曇らせた。
光輝さん、私があげたチョコレート、彼女に渡したんだ。
直感的に千恵さんがもらったのは、私が光輝さんにプレゼントしたチョコレートと同じものだと思った。
私だって光輝さんに渡したときは、仮に彼が食べなくても誰かにあげてもらったらいいと思っていた。それなのにどうして今、こんなにも傷ついているのだろう。
愛し合っていないのも、彼が私と結婚した理由も、全部わかっていたのに……。
「未可子」
名前を呼ばれ、我に返る。顔を上げると、息せき切った光輝さんがそばに立っていた。
「途中で抜けて悪かった。……彼女は?」
視線を鋭くして尋ねられ、ぎこちなく答える。
「帰られました。光輝さんによろしくと。その……チョコレートのお礼もおっしゃっていました」
具体的な説明を言わなかったのは、光輝さんの反応が怖かったからだ。私があげたものを彼女に横流ししたのだとしたら、少しは私に罪悪感を抱くのか。
「そうか。彼女、ほかにはなんて?」
しかし光輝さんはあまり興味なさそうな反応だ。それよりも千恵さんが私になにを話したのかの方が気になるらしい。
伝えられたら、まずい話でもある? 光輝さんと千恵さんの関係について尋ねてみようか。
「光輝さんは――」
口にしかけて、彼の状況を思い出す。
「い、いいえ。とくになにも。それよりも光輝さんは大丈夫ですか?」
私の問いかけに、光輝さんは眉を曇らせた。