恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「……出過ぎた真似をいたしました。長谷部さん、失礼な言い方をして申し訳ございません」
「あ、いいえ……私は」
態度を一転して謝罪され、戸惑う。
五十嵐さんはそんな私を感情の読み取れない目で見つめてくる。
彼女の主張はきっと正しい。
匡が多忙で疲れているのはもちろん理解している。
でも私は少しだけでも彼に会いたかった。
それは許されないワガママなのだろうか。
私たちの周囲に重い空気が漂い始めたとき、元気な女の子の声が響いた。
「お姉ちゃん、ペンギンさんが泳いでた!」
「栞、走っちゃダメよ」
五十嵐さんが即座に剣呑な表情を消し、慌てた様子で注意する。
水槽の陰からふたつ結びの髪を揺らして走って来た女の子が、私たちのすぐ傍で足を止める。
「お姉ちゃんのお友だち?」
「栞、この方は……」
「そうだよ、初めまして」
五十嵐さんの言葉を遮った匡が女の子の前で屈む。
「別所栞です。五歳です」
「よろしくね、俺は匡だよ」
「匡お兄ちゃん?」
栞ちゃんの呼びかけに、五十嵐さんの表情が強張るが、匡は小さく首を横に振った。
子どもに役職といった余計な気遣いは不要と思ったのだろう。
学生の頃から、彼のこういった細やかな心遣いに密やかに憧れ、尊敬していた。
栞ちゃんと目線を合わせて話す姿を、ただ黙って眺める。
栞ちゃんは五十嵐さんの姪だそうだ。
今日は水族館に一緒に行く約束をしていたらしい。
「あ、いいえ……私は」
態度を一転して謝罪され、戸惑う。
五十嵐さんはそんな私を感情の読み取れない目で見つめてくる。
彼女の主張はきっと正しい。
匡が多忙で疲れているのはもちろん理解している。
でも私は少しだけでも彼に会いたかった。
それは許されないワガママなのだろうか。
私たちの周囲に重い空気が漂い始めたとき、元気な女の子の声が響いた。
「お姉ちゃん、ペンギンさんが泳いでた!」
「栞、走っちゃダメよ」
五十嵐さんが即座に剣呑な表情を消し、慌てた様子で注意する。
水槽の陰からふたつ結びの髪を揺らして走って来た女の子が、私たちのすぐ傍で足を止める。
「お姉ちゃんのお友だち?」
「栞、この方は……」
「そうだよ、初めまして」
五十嵐さんの言葉を遮った匡が女の子の前で屈む。
「別所栞です。五歳です」
「よろしくね、俺は匡だよ」
「匡お兄ちゃん?」
栞ちゃんの呼びかけに、五十嵐さんの表情が強張るが、匡は小さく首を横に振った。
子どもに役職といった余計な気遣いは不要と思ったのだろう。
学生の頃から、彼のこういった細やかな心遣いに密やかに憧れ、尊敬していた。
栞ちゃんと目線を合わせて話す姿を、ただ黙って眺める。
栞ちゃんは五十嵐さんの姪だそうだ。
今日は水族館に一緒に行く約束をしていたらしい。