恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
友情と恋情は違う。

価値観の違いで喧嘩が絶えず、互いを傷つけあい、友情さえ失う状況に陥りたくない。

だから私は絶対に藤宮くんに恋愛感情を抱きたくなかったし、抱かずにいる自信があった。

それでもふとした瞬間、無意識に視線を奪われることは幾度となくあった。

その度にたまたま声がしたから、などと自分への言い訳を繰り返してきた。


「眞玖の元恋人は、藤宮さんと真逆のタイプだったし」


優しくて、穏やかな人だった。

過去の思い出の扉を少し開く。


「話を戻すけど、藤宮さんに告白しないの?」


「……できない」


「どうして?」


「告白して振られて、気まずくなるのはつらい。第一こんな大事な時期に言えない」


「遠く離れるからこそ伝えるべきでしょ。気まずい結果になっても顔を合わせずにすむじゃない。海外で藤宮さんに恋人ができたらどうするの?」


蘭の意見が、胸に深く突き刺さる。
< 21 / 156 >

この作品をシェア

pagetop