恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「じゃあなんで藤宮さんなら戸惑うの? 離れるのが寂しい、つらいって一瞬でも感じなかった? 心が痛まなかった?」


畳みかけるように問われて、返答に窮する。


「あ、藤宮さん」


「え!?」


ガラス越しに外を見ていた親友が、ふいに声を上げる。

慌てて親友の視線の先を追うが、周囲に彼の姿は確認できない。


「見間違いじゃない?」


「うん、嘘」


「蘭、どういうつもりよ」


「眞玖、藤宮さんの姿を今、瞬時に判別できたでしょ。その意味が本当にわからないの?」


いつになく真剣な親友の声に圧倒される。


「好きなんでしょ?」


“好き”


短く、けれど重みのある単語がゆっくりと胸の奥に浸透していく。


ああ、そうか。


私は彼が好きなんだ。


納得した途端、様々な想いが胸に溢れかえる。


「素直になりなさいよ。動揺したのも、今も引きずってるのも全部、藤宮さんが特別だからでしょ?」


抱きしめられるのも、触れられるのも嫌じゃなく、むしろ離れたくないと思った。

もう少し傍にいたいと願った。

……それは全部、彼に恋をしていたから。


「蘭……私、藤宮くんが好き」


震える声で気持ちを口にすれば、ストンと心の奥底でなにかが動いた気がした。


「知ってる。藤宮さんの話をしているときの眞玖はいつも嬉しそうだし。眞玖は女性遍歴の派手な男性は苦手だから、最初は驚いたけど」


さすが親友、私の性格をよくわかっている。
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