恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「プロジェクトが終わるまで、婚約の返事は待つよ。でもそこからは遠慮しないし、拒絶は受け入れない」


藤宮くんが物騒な言葉を爽やかに口にする。


「俺は全力で眞玖を口説く……覚悟して」


自信たっぷりな物言いに、背筋に甘い痺れがはしる。

藤宮くんは頬杖を崩し、大きな両手で私の頬を包み込む。

私との距離をゼロにして整った面差しを傾け、唇を優しく奪う。

緊張している私の心をほぐすかのような、柔らかいキスに胸の奥が切なく震える。

長いまつ毛の下から覗く綺麗な目に魅入られ、動けなくなる。

私の唇をゆっくり解放した藤宮くんは、さらに羽のように軽いキスを瞼、鼻と額に落とす。


「アメリカから今度はきちんと連絡する」


……なんで私が望むものを簡単に見透かすの?


「ちゃんと待ってろよ」


再度告げられた甘い命令が、心の奥に染み込んでいく。

もう少しきちんと話し合ってから返事をしたいのに、この胸の内をどう伝えればいいのかわからない。

この相反する勝手な気持ちにいつか答えは見つかるのだろうか。












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