恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
どこか親密ささえ感じる仕草に、体が熱をもつ。

骨ばった長い指が微かに頬を掠めていく。

彼が触れた部分が燃えるように熱い。


「しばらく眞玖に会えなくなるから、今日はどうしても顔が見たかった」


そう言って、私の右耳に髪をかけ、露わになった耳朶に小さなキスを落とす。

甘い痛みに胸の奥が痺れていく。


「眞玖の覚悟や返事を強引に聞き出すつもりはないよ。本音を言えば、一日も早く俺のものになってほしいけど」


色香のこもった目で覗き込まれ、鼓動がどんどん速くなる。

喉元をなにかに圧迫されたかのように呼吸が苦しい。


どうして躊躇わないの?


藤宮くんは今の私を知っているのか、私は今の彼を知っているのか、自信が持てないでいるのに。


婚約までして、関係が拗れてしまったらもう友だちには戻れないのに。

だって私は友だちとしての姿しか見せてこなかった。

特に彼の前では心配症で臆病なうえ、些細な出来事を気にしてしまう弱い自分の姿を必死に隠してきた。


私のどこに魅力があったのだろうか?


どこかのご令嬢でもない、意地っ張りで、プライドが高いだけの私を本当に望んでくれる?
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