恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「それじゃ泣き虫な眞玖を慰めながら、婚活パーティーに行ったお仕置きをしようか」


言うが早いか、腰に回した腕を離した藤宮くんが、私に靴を脱ぐよう促す。

不穏な物言いに戸惑いながらも、廊下に足を踏み入れた瞬間、横抱きにされた。


「ふ、藤宮くん? ちょっと、おろして」


慣れない浮遊感に思わず彼の首に腕を回す。

藤宮くんは私を自身の体に強く引き寄せた。


「いくら眞玖のお願いでも無理だな」


先ほどの不機嫌さが嘘のようにフッと口角を上げた彼は、長い廊下を足早に歩く。

近すぎる距離と伝わる体温に心が落ち着かない。


「眞玖の全部がほしい。もう我慢の限界だ」


彼らしい端的な言葉に目を見張る。


「眞玖は俺の婚約者だろ?」


真剣に問われた覚悟に一瞬目を閉じた。

不安、立場……胸の奥にまだ燻るそれらを上回る恋心に背中を押されるように、声を発する。


「……私で、いいの?」


「眞玖がいい」


一瞬の躊躇いもない返答に胸が詰まる。


「あり、がとう」


小さく礼を告げた私の額に彼が唇で触れた。


「眞玖を抱きたい」


足を止めた藤宮くんに色香のこもった視線を向けられ、体が一気に熱をもつ。


「……私も、あなたがほしい」


するりと本音が漏れた。
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