恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
七月に入って半月ほどが経過した。
街中を彩るディスプレイも道行く人の装いもカラフルで、活気に満ちている。
藤宮商事との提携プロジェクトは順調に進んでいる。
匡は副社長就任間もないこともあって、最近は特に忙しい様子でここ半月ほどきちんと会えていない。
「長谷部さんすみません、新規自動販売機事業用地の件で新見不動産の方が来社されているのですが……」
「その件は辻くんの担当じゃなかった?」
おずおずとやってきた後輩に、ホワイトボードへ視線を向けつつ返答する。
「そうなんですが、辻さん、電車の遅延で帰社まであと三十分ほどかかるってさっき連絡があったんです」
「来客について、辻くんからなにか指示は?」
「辻さんの上司の高見さんも外出中なので、長谷部さんの判断を仰いでほしいと言われました」
心底困ったような表情を浮かべる彼女は、今にも泣きだしそうだ。
まだ二年目で、辻くんの補佐として仕事を覚えだしたところだし、無理もない。
辻くんも私の後輩のひとりで、異動してきた際にしばらく指導係を引き受けていた。
現在は担当業務が異なるため、直属の上司も違う。
それでも昔のよしみからか頼りにされる場合が多かった。
街中を彩るディスプレイも道行く人の装いもカラフルで、活気に満ちている。
藤宮商事との提携プロジェクトは順調に進んでいる。
匡は副社長就任間もないこともあって、最近は特に忙しい様子でここ半月ほどきちんと会えていない。
「長谷部さんすみません、新規自動販売機事業用地の件で新見不動産の方が来社されているのですが……」
「その件は辻くんの担当じゃなかった?」
おずおずとやってきた後輩に、ホワイトボードへ視線を向けつつ返答する。
「そうなんですが、辻さん、電車の遅延で帰社まであと三十分ほどかかるってさっき連絡があったんです」
「来客について、辻くんからなにか指示は?」
「辻さんの上司の高見さんも外出中なので、長谷部さんの判断を仰いでほしいと言われました」
心底困ったような表情を浮かべる彼女は、今にも泣きだしそうだ。
まだ二年目で、辻くんの補佐として仕事を覚えだしたところだし、無理もない。
辻くんも私の後輩のひとりで、異動してきた際にしばらく指導係を引き受けていた。
現在は担当業務が異なるため、直属の上司も違う。
それでも昔のよしみからか頼りにされる場合が多かった。