恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「……申し訳ございませんが、お断りいたします」
「少しは悩んでいただけませんか?」
「心に決めた人がいますので」
「もちろん藤宮副社長の件は承知ですよ」
だったらわざわざなぜ、と心の中で疑問が渦巻く。
まさか、妹のために?
「とりあえず今日は一旦引き下がります。ライバルがいるほうが奪いがいもありますからね。では仕事の話をしましょうか」
ふわりと微笑み、鮮やかに態度を切り替える。
あまりの変わり身に驚きながらも、なんとか平静を装う。
五十嵐さんの資料への的確な指摘と判断力の速さに先ほどとは違う意味で驚く。
そのとき、軽快なノック音が応接室に響き、辻くんが姿を見せた。
ホッと胸を撫で下ろしつつ、立ち上がる。
「五十嵐様、お世話になっております。今日は遅れて大変申し訳ございません」
謝罪を告げる辻󠄀くんに、五十嵐さんが穏やかに返答する。
「気にしないでください。長谷部さんのおかげで素敵な時間を過ごせました」
「とんでもございません」
型通りの賛辞をしっかり否定する。
叶うなら一刻も早くここから出て、解放されたい。
「辻くん、私は失礼するので、よろしくお願いしますね」
「長谷部さん、ありがとうございます」
後輩に小さく首を横に振りつつ、確認した事項を伝える。
その後、五十嵐さんに挨拶をして応接室を出た途端、手足が震えた。
「少しは悩んでいただけませんか?」
「心に決めた人がいますので」
「もちろん藤宮副社長の件は承知ですよ」
だったらわざわざなぜ、と心の中で疑問が渦巻く。
まさか、妹のために?
「とりあえず今日は一旦引き下がります。ライバルがいるほうが奪いがいもありますからね。では仕事の話をしましょうか」
ふわりと微笑み、鮮やかに態度を切り替える。
あまりの変わり身に驚きながらも、なんとか平静を装う。
五十嵐さんの資料への的確な指摘と判断力の速さに先ほどとは違う意味で驚く。
そのとき、軽快なノック音が応接室に響き、辻くんが姿を見せた。
ホッと胸を撫で下ろしつつ、立ち上がる。
「五十嵐様、お世話になっております。今日は遅れて大変申し訳ございません」
謝罪を告げる辻󠄀くんに、五十嵐さんが穏やかに返答する。
「気にしないでください。長谷部さんのおかげで素敵な時間を過ごせました」
「とんでもございません」
型通りの賛辞をしっかり否定する。
叶うなら一刻も早くここから出て、解放されたい。
「辻くん、私は失礼するので、よろしくお願いしますね」
「長谷部さん、ありがとうございます」
後輩に小さく首を横に振りつつ、確認した事項を伝える。
その後、五十嵐さんに挨拶をして応接室を出た途端、手足が震えた。