恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
一枚の紙の重さにため息を吐き、とりあえず名刺入れの奥に潜ませる。
辻くんまで巻き込んで、五十嵐さんはどういうつもりなのだろう。
いくらなんでもあの一度きりの逢瀬で、純粋に私を気に入ったとは考えにくい。
彼の妹の件など複雑な事情がある気がしてならない。
物腰は柔らかいが強引な部分は少し……匡に似ている気がする。
この件を匡に話すべきだろうか。
でも副社長に就任したばかりの大事な時期に余計な心配をかけたくない。
琴子さんの姿が頭をよぎる。
彼女は本当に婚約者候補なの?
そのために匡の秘書になったの?
どれだけ考えても答えは出ず、重いため息ばかりが零れ落ちた。
その後、定時を迎え、専務に頼まれていた資料を届けてすぐに退社した。
不在の専務の代わりに受け取ってくれた鹿賀さんには酷い顔色を心配された。
最寄り駅に着き、自宅に向かって歩き出す。
駅前の喧騒から離れ、見慣れた自宅マンションが見えて少しホッとする。
今日はあまり食欲もないし、冷凍していたおかずを適当に解凍して済ませよう。
「眞玖」
ふいに名前を呼ばれ、夕食の献立に思いをはせていた私の足がマンションのエントランス前で止まる。
「お帰り、眞玖」
「匡……?」
辻くんまで巻き込んで、五十嵐さんはどういうつもりなのだろう。
いくらなんでもあの一度きりの逢瀬で、純粋に私を気に入ったとは考えにくい。
彼の妹の件など複雑な事情がある気がしてならない。
物腰は柔らかいが強引な部分は少し……匡に似ている気がする。
この件を匡に話すべきだろうか。
でも副社長に就任したばかりの大事な時期に余計な心配をかけたくない。
琴子さんの姿が頭をよぎる。
彼女は本当に婚約者候補なの?
そのために匡の秘書になったの?
どれだけ考えても答えは出ず、重いため息ばかりが零れ落ちた。
その後、定時を迎え、専務に頼まれていた資料を届けてすぐに退社した。
不在の専務の代わりに受け取ってくれた鹿賀さんには酷い顔色を心配された。
最寄り駅に着き、自宅に向かって歩き出す。
駅前の喧騒から離れ、見慣れた自宅マンションが見えて少しホッとする。
今日はあまり食欲もないし、冷凍していたおかずを適当に解凍して済ませよう。
「眞玖」
ふいに名前を呼ばれ、夕食の献立に思いをはせていた私の足がマンションのエントランス前で止まる。
「お帰り、眞玖」
「匡……?」