契約不倫~主人の子供を産んでもらえますか~
私と部長は、ビルを出るとテラスに出た。

「ああ、あの席が空いている。」

部長が指を差したのは、テラスの端だった。

「はい。行きましょう。」

部長の背中にくっついて、歩き出した。

「テラスで食べるのも、気持ちいいなぁ。」

ベンチに座った部長は、青空を見上げた。

「そうですね。気づきませんでした。」

私は部長の向い側に座り、彼を見つめた。

歳も38歳になると言うのに、若く見えるくらいイケメンな部長。

こんな人、他にはそういない。


「立花さんは、いつもお弁当?」

「はい。節約になりますし。それに栄養面も考えて。」

「そっか。俺、お弁当作って貰った事ないから、嬉しいなぁ。」

「ええ?」

あの美人な奥さんは、お弁当を作らないのか。

でも、そんな事。美人なら気にしないだろう。
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