契約不倫~主人の子供を産んでもらえますか~
「じゃあ、遠慮なくいただくね。」

「はい、どうぞ。」

部長はプラスチックの蓋を取り、割り箸でお弁当を食べ始めた。

「この味付けいいね。」

部長が指さしたのは、きんぴらごぼうだった。

「母が田舎出身なので、甘じょっぱいんです。」

「俺も、田舎出身だから懐かしいよ。」

まさか、部長に味付け気に入って貰えるなんて、思わなかった。

「うん。この玉子焼きも美味しい。立花さんは、料理上手だね。」

「ありがとうございます。」

そしてまた、いけない感情があふれ出す。


ー またお弁当作ってもいいですか? -


どうしても、言えない。

部長の迷惑には、なりたくない。


「どうしたの?食べないの?」

「いえ、気にしないでください。」

まさか、あなたに恋してますなんて、言えない。
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