私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「返事は?」
「うーん。やだ。まだ、保留で」
「では、好感度はどうだ。少しは、上がったか?」

 エルネットは深く考え込んだあと、軽い口調で俺の求婚を却下する。
 普段であれば、苛立ちを隠しきれなかったが――今回ばかりは、口元に微笑みを浮かべる余裕があった。

「……一ミリ、くらい?」
「よかった」

 触れられるのも嫌がられるほどではなくなった時点で、こちらのものだ。
 俺は彼女を抱きしめる力を強めると、エルネットの耳元で囁いた。

「好きだ」

 そんな陳腐な言葉を並べ立てたくらいでは伝えきれないほどに、愛している。

 君がそばにいない世界なんて、俺はもう耐えられないんだ。
 だから、どうか。あんな男などではなく、俺を選んでほしい。

 あの男では与えられないほどの狂愛を、君に注ぐと誓うから――。
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