私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「わ……っ。重……っ。つ、潰れる……!」
「もう二度と、離さない……!」
「いや、それは無理だから……」

 レオドールは瞳に涙を浮かべて、私を抱きしめた。
 離れないように、強く。
 彼の気持ちを素直に受け止めたのが、嬉しくて堪らなかったみたい。
 まぁ、こいつにとっては、悲願なんだろうし……。
 私も疲れたから。
 このまま拒絶せず、素直に受け入れて大人しくしておこうかな……。

「俺がどれほどこの時を、どれほど待ち望んでいたことか……!」
「あー、うん。あんたが私を、助けてくれた……。その、お礼も兼ねているから」
「ああ……! 最高のお返しだ……!」

 レオドールはすっかり機嫌を直して、涙ぐむ。
 そんな彼の情けない姿を見つめていると、手のかかる気分屋な息子を育てている母親のような気持ちになって――。

 私達の関係って、だいぶ歪だなぁ……。

 そんな想いに苛まれながら、失った魔力を取り戻すために身体を休めた。
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