私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
僕は無事に魔術を成功させ、歓喜に打ち震えた。
ーーああ。
これさえあれば、エルネットは僕のものになる……!
マリンヌなんて必要ない。
さっさと捨てて、あの子を迎えに行こう。
「う、ぅ……っ。ある、べ、る……さま……っ。助け……て……!」
エルネットを始末するため、かなりのハイペースで黒魔術を人々へ伝授していたのだ当然病弱なマリンヌの身体が持つはずもなくーー彼女は床に臥せっていた。
「幸せに、なり、たい……。もう、嫌だ……」
額からは汗。瞳からは涙がこぼれ落ち、顔面蒼白な彼女の姿は気の毒で仕方がないとは思うけれどーー。
僕にとってこの子はもう、利用価値のない少女だ。
泣こうが喚こうが、どうでもいい。
「マリンヌ」
「アルベール、様……! 会いに来て、くださったの、ですね……!」
これから僕が、背中を押して。
奈落の底へ叩き落とすなど考えもしない彼女はーー不相応にも、助けを求めるように指先を差し出して来たがーー。
「僕と、婚約破棄をしてほしい」
僕はその手をはたき落とし、この子に笑顔で宣言して見せた。
ーーああ。
これさえあれば、エルネットは僕のものになる……!
マリンヌなんて必要ない。
さっさと捨てて、あの子を迎えに行こう。
「う、ぅ……っ。ある、べ、る……さま……っ。助け……て……!」
エルネットを始末するため、かなりのハイペースで黒魔術を人々へ伝授していたのだ当然病弱なマリンヌの身体が持つはずもなくーー彼女は床に臥せっていた。
「幸せに、なり、たい……。もう、嫌だ……」
額からは汗。瞳からは涙がこぼれ落ち、顔面蒼白な彼女の姿は気の毒で仕方がないとは思うけれどーー。
僕にとってこの子はもう、利用価値のない少女だ。
泣こうが喚こうが、どうでもいい。
「マリンヌ」
「アルベール、様……! 会いに来て、くださったの、ですね……!」
これから僕が、背中を押して。
奈落の底へ叩き落とすなど考えもしない彼女はーー不相応にも、助けを求めるように指先を差し出して来たがーー。
「僕と、婚約破棄をしてほしい」
僕はその手をはたき落とし、この子に笑顔で宣言して見せた。