私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 想いを通じ合わせて、ゴールな訳じゃないんだ。
 ここは乙女ゲームの世界ではなくて、現実だから。

 私達はこれからも、何度だって愛する彼と減らず口を叩き合いながら、攻防戦を繰り広げることになりそうだ。

 それに辟易するか。
 こう言うのも悪くないと受け入れるかはーー私次第、なんだよね。

「もう、逃さない。永遠に」
「……仕方ないなぁ。私がいないと情緒不安定になる騎士団長様のために、譲歩してあげる」

 なかなか背筋が凍るような、怖いことを言われている自覚はあったけどーー遠ざければ遠ざけるほど、身の危険が迫ると学習した私に、恐れるものなど何も無いない。

 仕方ないよね。
 他人に嫉妬する姿だって、彼の一部なんだから……。

 ちゃんと愛して、受け入れさえすれば、すべてが丸く収まるはずだ。
 そう考えた私は、レオドールの妻になる決意を固めたーー。
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