私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「命を奪わなかっただけでも、感謝してほしいくらいの重罪を犯した女だぞ。望みなど、叶えられるはずがないだろう」
「でも、さ……」
「罪を犯した人間に同情して、なんになる。中途半端な優しさは、つけ入る隙を与えるだけだ」
「レオドール……!」
「あの女のことは、忘れて生きろ」

 何それ。なんでそんな、酷いことが言えるの?
 レオドールにとってアルベールは、目の上のたんこぶだった。
 いなくなったおかげで、繰り上がりで皇太子になれたわけ。

 清々しているのかもしれないけどさ……。
 こんなのって、ないよ。
 私はそんな簡単に気持ちを切り替えられるほど、冷静な心の持ち主ではなかった。

「レオドールの、わからずや!」
「エルネットは、お人好しにも程がある。貴様はもっと、冷酷になるべきだ」

 子どもっぽい主張だと、自分でもよく理解してはいたけれど。
 一度口から飛び出した言葉は元には戻せない。
 普段であれば、言い合いが始まるはずだったけど――。
 なぜか今回は、レオドールが喧嘩を買う様子がない。

「俺を見習って、な」

 なんでだろうって、ずっと不思議だったけど……。
 その答えは、すぐに明らかとなる。
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