私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
「所有印が消える頃に、また顔を出す」
ーーこの痛みって……。キスマークだったの!?
あの野郎! 乙女の肌に、傷をつけるなんて! もう怒った! 絶対に許さーん!
「今日のことは、忘れるな。脳裏に、しっかりと焼きつけておけ」
「もう二度と、会いに来るなー!」
人の話を聞かない男の命令なんか、誰が聞くもんですか!
私は力いっぱい叫ぶと、彼を追い返した。
「第二王子からプロポーズを受けるなんて、やっぱりエルネット様は凄いです……!」
――私がよく眠れるように。
給湯室にお茶菓子を取りに向かったはずの後輩が、去りゆくあいつの背中と私の顔を交互に見つめ、歓声をあげる。
ドヤ顔で、胸を張りたいところだけど……。
あいつから提案された内容が受け入れがたいだけに、思わず彼に問いかけてしまった。
「なんであいつ、私に求婚してきてんの?」
「さぁ……?」
意味が分かんなさ過ぎて、どうにかなってしまいそうだったからだ。
ーーまぁ、あいつの気持ちなんて……。
一部始終を聞いていただけの後輩に、わかるわけ無いないか。
『じゃじゃ馬が……』
『この、朴念仁!』
だって私達は、水と油。
幼い頃から顔を合わせれば喧嘩ばかりしてきた、犬猿の仲なのだからーー。
ーーこの痛みって……。キスマークだったの!?
あの野郎! 乙女の肌に、傷をつけるなんて! もう怒った! 絶対に許さーん!
「今日のことは、忘れるな。脳裏に、しっかりと焼きつけておけ」
「もう二度と、会いに来るなー!」
人の話を聞かない男の命令なんか、誰が聞くもんですか!
私は力いっぱい叫ぶと、彼を追い返した。
「第二王子からプロポーズを受けるなんて、やっぱりエルネット様は凄いです……!」
――私がよく眠れるように。
給湯室にお茶菓子を取りに向かったはずの後輩が、去りゆくあいつの背中と私の顔を交互に見つめ、歓声をあげる。
ドヤ顔で、胸を張りたいところだけど……。
あいつから提案された内容が受け入れがたいだけに、思わず彼に問いかけてしまった。
「なんであいつ、私に求婚してきてんの?」
「さぁ……?」
意味が分かんなさ過ぎて、どうにかなってしまいそうだったからだ。
ーーまぁ、あいつの気持ちなんて……。
一部始終を聞いていただけの後輩に、わかるわけ無いないか。
『じゃじゃ馬が……』
『この、朴念仁!』
だって私達は、水と油。
幼い頃から顔を合わせれば喧嘩ばかりしてきた、犬猿の仲なのだからーー。