私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 真っ昼間に黒魔術の解呪。
 おやつ時にあいつが訪ねてきて、ちょっと休憩。
 夕方はアルベールに相談……。
 目が回るような忙しさに疲弊の色を隠せない私が、やっとのことで実家に帰宅しようとすれば――。

「どこで油を売っていた」
「げっ……。なんでこんなところに……」

 なぜか門番と一緒に仁王立ちしていたレオドールが、私を呼び止めた。
 彼は不機嫌な様子を一切隠さず、厳しい視線を向けてこちらを見下す。

「婚約者が他の男に言い寄らぬように管理するのも、俺の役目だ」
「いや、だから……」

 あんたが勝手に、私を婚約者扱いしているだけでしょ!?
 もう、勘弁してほしい……。
 なんで一日に何回も、大嫌いな人間と顔を合わせなきゃいけないわけ?
 そんなふうに、うんざりしている私の姿を見かねたからか。
 レオドールはため息を溢すと、私の手首を掴んで王城の中に戻っていく。

「来い」
「ちょ、ちょっと!」

 私がどんなに大声を出しても、彼は真逆に進むのを止めなかった。
 王城で働く人々は、何事かとこちらをジロジロ見つめていたけど……。
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