I LOVE YOU~世界中であなたが一番大好きです~
第一話
「これにて帰りのホームルームは終了します。それでは気を付けて帰るようにしてください」
この言葉を合図に、多くの生徒が喧騒に包まれながら席を立ち、放課後の予定について話し始める。
「サヤ!」
後ろからさやかに親し気に話しかけてきたのは鬼島瑛介、幼馴染でクラスメイトだった。
「この後暇か?」
「暇だけどなんで?」
「どっか出かけないか?」
男子が女子を遊びに誘うのには様々な理由があるが、瑛介はさやかに対してひそかに想いを寄せていた。
ストイックな彼は恋に対しても真っすぐに打ち込むため、こうして声をかけているのだった。
想いを寄せられている当の本人は自分に向いている好意に関してはかなり鈍感で、全くもって気づいていないが。
「今でかけるって言ったやろ?」
2人が話しているのを見てさやかに肩を組みながら話しかけてきたのは、同じく幼馴染兼クラスメイトである斉藤清美。
明朗快活という言葉が良く似合う生徒で、その性格により友達の多さもピカイチ。
「言ったけど、キヨも来るのか?」
「あったりまえやん!遊びのある所にウチあり。まさかウチ抜きで遊ぼうなんて思てへんよね?」
「別にいいけど、キヨは遊ぶ友達なんてたくさん居るだろ?」
2人きりになれなくて少し残念そうな瑛介だったが、自分の為に誰かをハブるほど自分本位な人間でもない。
そんな様子を見て心の中で謝っている清美は、何を隠そう瑛介に恋をしており、出来る限り好きな人と居たいのは彼女も同じだった。
とはいえ、清美は想われ人であるさやかのことを恨んでいるわけでもないのだから、あっけらかんとしている性格が良く表れている。
「もー、2人とも。遊びの話をするのはいいけど、まだ私『行く』なんて一言も言ってないよ?」
「えっ、それじゃあサヤちん、来ぉへんの?」
「行くけど!」
「「行くんかい!」」
来ない口ぶりで結局来るというボケをかましたさやかは、2人から総ツッコミを受けることになった。
バックを肩にかけて仲睦まじく外へ出ていく生徒たちの様子を、響也は一瞥して自身も教室の外へ出て行った。
この言葉を合図に、多くの生徒が喧騒に包まれながら席を立ち、放課後の予定について話し始める。
「サヤ!」
後ろからさやかに親し気に話しかけてきたのは鬼島瑛介、幼馴染でクラスメイトだった。
「この後暇か?」
「暇だけどなんで?」
「どっか出かけないか?」
男子が女子を遊びに誘うのには様々な理由があるが、瑛介はさやかに対してひそかに想いを寄せていた。
ストイックな彼は恋に対しても真っすぐに打ち込むため、こうして声をかけているのだった。
想いを寄せられている当の本人は自分に向いている好意に関してはかなり鈍感で、全くもって気づいていないが。
「今でかけるって言ったやろ?」
2人が話しているのを見てさやかに肩を組みながら話しかけてきたのは、同じく幼馴染兼クラスメイトである斉藤清美。
明朗快活という言葉が良く似合う生徒で、その性格により友達の多さもピカイチ。
「言ったけど、キヨも来るのか?」
「あったりまえやん!遊びのある所にウチあり。まさかウチ抜きで遊ぼうなんて思てへんよね?」
「別にいいけど、キヨは遊ぶ友達なんてたくさん居るだろ?」
2人きりになれなくて少し残念そうな瑛介だったが、自分の為に誰かをハブるほど自分本位な人間でもない。
そんな様子を見て心の中で謝っている清美は、何を隠そう瑛介に恋をしており、出来る限り好きな人と居たいのは彼女も同じだった。
とはいえ、清美は想われ人であるさやかのことを恨んでいるわけでもないのだから、あっけらかんとしている性格が良く表れている。
「もー、2人とも。遊びの話をするのはいいけど、まだ私『行く』なんて一言も言ってないよ?」
「えっ、それじゃあサヤちん、来ぉへんの?」
「行くけど!」
「「行くんかい!」」
来ない口ぶりで結局来るというボケをかましたさやかは、2人から総ツッコミを受けることになった。
バックを肩にかけて仲睦まじく外へ出ていく生徒たちの様子を、響也は一瞥して自身も教室の外へ出て行った。