孤高の弁護士は、無垢な彼女を手放さない
時計の針が、いつの間にか夜の10時を回っていた。
「そろそろ、今日はこのあたりでお開きにしましょうか」
一条のその言葉に、紬は名残惜しさを覚えながらも頷いた。
食事の間、緊張していた心はすっかり解けていて、まるで長く知っている人と話していたような気がしていた。
「駅までお送りしますよ。」
店を出たところで、一条がそう提案する。
けれど紬は、ふわりと笑って首を振った。
「お気持ちだけで十分です。今日は本当にありがとうございました。一条さんと話せて、よかったです」
「……そうですか。じゃあ、お気をつけて」
少しだけ寂しそうに見えたその表情を胸に焼きつけながら、紬は背を向けた。
初夏の夜風が、ほんのりと髪を揺らす。
彼の隣にいると、心が穏やかになる――
それはただの安心感なのか、それとも……。
答えの出ないまま、紬は改札を抜け、夜の帰路へと足を進めていった。
「そろそろ、今日はこのあたりでお開きにしましょうか」
一条のその言葉に、紬は名残惜しさを覚えながらも頷いた。
食事の間、緊張していた心はすっかり解けていて、まるで長く知っている人と話していたような気がしていた。
「駅までお送りしますよ。」
店を出たところで、一条がそう提案する。
けれど紬は、ふわりと笑って首を振った。
「お気持ちだけで十分です。今日は本当にありがとうございました。一条さんと話せて、よかったです」
「……そうですか。じゃあ、お気をつけて」
少しだけ寂しそうに見えたその表情を胸に焼きつけながら、紬は背を向けた。
初夏の夜風が、ほんのりと髪を揺らす。
彼の隣にいると、心が穏やかになる――
それはただの安心感なのか、それとも……。
答えの出ないまま、紬は改札を抜け、夜の帰路へと足を進めていった。