旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
《2》
出かける直前に胸を刺した不穏をあっさり忘れ、完全に浮かれていた。
最後の思い出作りくらいいいじゃないか、和永さんだって嫌そうには見えない。そういう甘えを、昨日の私は抑えきれなくなっていた。
埠頭から見えた夜景は、溜息が出るほど美しかった。
夜景のスポットなんて人の溢れる場所しかないと思い込んでいたけれど、そんなことはなかった。鮮やかな景色に心を奪われ、和永さんの前で口を大きく開けて笑ってしまった。それも昨日が初めてだった。でも。
どの質問にも、あるいはどの指摘にも、私はまともに返事ができなかった。
見透かされているのかもしれないと思った。伝わったら途端に煙たがられてしまうだろう、密かに募らせてきた恋心まで、全部。
『このままだとキスしちゃうけど、俺』
ネックレスごと首に触れてきた指、腰を抱き寄せた腕、唇にかかった熱っぽい吐息。どの感触も、昨日の夜から少しも離れてくれていない。
あの後マンションに戻る間も、部屋に着いてからも、未遂に終わったキスの説明はしてもらえなかった。
最後の思い出作りくらいいいじゃないか、和永さんだって嫌そうには見えない。そういう甘えを、昨日の私は抑えきれなくなっていた。
埠頭から見えた夜景は、溜息が出るほど美しかった。
夜景のスポットなんて人の溢れる場所しかないと思い込んでいたけれど、そんなことはなかった。鮮やかな景色に心を奪われ、和永さんの前で口を大きく開けて笑ってしまった。それも昨日が初めてだった。でも。
どの質問にも、あるいはどの指摘にも、私はまともに返事ができなかった。
見透かされているのかもしれないと思った。伝わったら途端に煙たがられてしまうだろう、密かに募らせてきた恋心まで、全部。
『このままだとキスしちゃうけど、俺』
ネックレスごと首に触れてきた指、腰を抱き寄せた腕、唇にかかった熱っぽい吐息。どの感触も、昨日の夜から少しも離れてくれていない。
あの後マンションに戻る間も、部屋に着いてからも、未遂に終わったキスの説明はしてもらえなかった。