旦那様、離婚の覚悟を決めました~堅物警視正は不器用な溺愛で全力阻止して離さない~
(……駄目かも)
やはり、離婚が最適解だ。
『自分にはなにも期待しないでいただきたく』
『特に愛情に関しては、期待されてもお応えできません』
私は、和永さんが提示したその条件にこれ以上合わせられない。
一年でこのざまだ。これから先、時間を重ねれば重ねるほど、きっとますます応えられなくなっていくだろう。
約束を守れない私があの人の傍にいるのは、良いことではない。なにより私自身、どんどん我儘になっていきそうな自分を好きになれない。現に、たまたま見かけただけの花屋のお姉さんにまで、これほどじめじめした嫉妬を覚えている始末だ。
(今日、ちゃんと笑って働けるかな、私)
テーブルの上に置いてきた、記入済みの離婚届――クリアファイルに挟み、記載を促す付箋まで貼りつけて家を出てきたそれに、和永さんは気づいてくれるだろうか。リビングに立ち寄ることなく、まっすぐ部屋に戻ってしまったりはしないだろうか。
きゅ、と唇を引き結んでから、私はほとんど小走りで職場を目指した。
やはり、離婚が最適解だ。
『自分にはなにも期待しないでいただきたく』
『特に愛情に関しては、期待されてもお応えできません』
私は、和永さんが提示したその条件にこれ以上合わせられない。
一年でこのざまだ。これから先、時間を重ねれば重ねるほど、きっとますます応えられなくなっていくだろう。
約束を守れない私があの人の傍にいるのは、良いことではない。なにより私自身、どんどん我儘になっていきそうな自分を好きになれない。現に、たまたま見かけただけの花屋のお姉さんにまで、これほどじめじめした嫉妬を覚えている始末だ。
(今日、ちゃんと笑って働けるかな、私)
テーブルの上に置いてきた、記入済みの離婚届――クリアファイルに挟み、記載を促す付箋まで貼りつけて家を出てきたそれに、和永さんは気づいてくれるだろうか。リビングに立ち寄ることなく、まっすぐ部屋に戻ってしまったりはしないだろうか。
きゅ、と唇を引き結んでから、私はほとんど小走りで職場を目指した。